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尾崎国子ヒンデローペンエッセイNo5

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オランダ人はお祭りが大好き

今年のヨーロッパの夏は異常気象で、暑い夏でした。私のいた時代は、夏でもまだ涼しい日があったり、上着はいつも持って歩いていました。暖房があっても、クーラーは一般の家庭ではありませんでしたので、暑さしのぎには苦労をしました。

短い秋を迎えて、街では数々のイベントが開催されます。夜になるとジャズ・フェステバルが始まり、街の広場の各レストランの一角ごとにジャズマンの生演奏な軽快なリズムが鳴り響きます。ほろ酔い気分の群集が街中に溢れ、お目当てのジャズに体を酔わせ、街中が興奮の坩堝。疲れきった人々が帰路に着くのは朝方の4時ごろです。中心街に住んでいた私にとって、ジャズフェステバルは楽しみを通りこして、騒音との格闘の日でもありました。

吹く風も肌寒く感じる9月に入ると、花祭りが始まります。日本の菊人形の巨大化した花人形が、大きなトラックの荷台に飾られ、街を練り歩きます。各都市ごとにローマの宮殿やバリ島の風景、インデアン、魚、カエル、蝶、いろんな花人形があり、コンクール形式になって、競い合います。
中には日本の歌舞伎の人形があり、日本語で、「花」と題が付いていました。日本では菊ですが、オランダではポンポンダリアでを使います。さすが花の国オランダの花祭り、花、花、花、です。

街路樹が一度に紅葉になる頃、街中ああげてのマラソン大会が始まります。要所要所にオレンジの輪切りとジュースが走者のために用意され、町ごとに住民による応援楽隊が繰り出され、走者のファイトを盛り上げます。マラソン大会といっても、勝ち負けの大会ではなく、笑い転げながらの応援です。トランペットや太鼓の応援の中 , 走者に混じって、仮装した走者が人々の笑いを誘います。 立縞の囚人服にポリスマンが警棒を振り上げて追う組、鉄棒を重そうに抱えた赤鬼や悪魔に扮して走る人、自由にマラソンを楽しみ、短い秋を堪能します。

街々の街路樹は思う存分に紅葉し、目の覚める程色づいた並木道を自転車で走る快感は素晴らしいものです。やがて紅葉が散る頃、街路は紅葉のじゅうたんをひき、木枯らしに身を任せる木の葉は踏みしめる落ち葉の音を楽しむように冬に向かって飛んでいくのです。

次回はもう少しオランダのお祭り、クリスマスについても書いて見ます。お楽しみにしてください。