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尾崎国子ヒンデローペンエッセイNo8

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楽しい春のイベント

暖冬で梅や桜の便りが目白押しになりそうですが、お元気ですごしでしょうか。暖冬でも春の訪れはいつも何か心ときめくものがあります。

特に私のいた時代のオランダでは、冬の重く垂れ込めた空の下でじっと春を待つ人々にとって、長かった冬空からようやく脱皮できる季節は格別な喜びです。ヨーロッパの春はカソリックの祭り、カーニバルで始まります。

オランダの各地でカーニバルはありますが、ドイツの国境に近い古い街、マースリストのカーニバルをご紹介します。

思い思いの仮装をし、街を練り歩くお祭り、カーニバルは春一番のお祭りです。この日のために人々は冬の間、素敵なコスチューム作りに楽しい時間をかけて、その日を迎えます。街中に溢れるばかりの風船の飾り、リボン、紙ふぶき。街はドンチャン騒ぎです。私の主人の会社がマースリストにあったので、親善を込め,カーニバルに参加することになりました。日本からの参加は初めてとのことでした。出し物は日本酒の入った樽酒、もちろん途中で割って、酒を振舞いましたので、とても人気がありました。にわか作りの酒樽おみこしも愛嬌があり、沿道を埋めるオランダの人にとって、興味深いものでした。

言葉で春の喜びをお伝えするよりも、写真のほうが本当の喜びを伝えることができますので、たくさんのカーニバルの様子をご覧ください。

そしてカーニバルが終わって、かわいらしい卵と兎のお人形が店頭を飾る頃、木々の若芽は弾けるように日々緑に変わっていきます。日も長くなり、街のカフェの白いテーブルも春の日差しの中でおしゃべりのコーヒーが読みかけた本と春の訪れを楽しんでいます。広場を埋めたテーブルが春を楽しむ人々で、一日中賑わっています。

ベランダでは長いすに寝そべって日光浴をする人、本を読み人、春到来を思い思いに謳歌しています。そこらじゅうの花が一斉に咲き誇り、すべてが、春、春、春。

家の近くの公園では、アヒルのあかちゃんが愛くるしく泳ぎ回り、兎の赤ちゃんはまるで縫いぐるみの様。早朝から夕方遅くまで、ぺちゃくちゃ、ピーピーおしゃべり好きなブラックバードの赤ちゃんも大きな口をあけて、餌をねだっています。