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尾崎国子ヒンデローペンエッセイNo9

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公園での楽しい催し

新緑の季節を迎え、すべてがきらきらと春の光の中に包まれていきます。我が家の近くの公園も、市民の憩いの場です。周囲2キロほどの池を中心に広がるこの公園は周りの森に包まれ、湖畔にはフランス料理のレストランがシックに建っており、市民の散策と憩いの場となっています。
芝生にはのりの効いたピンクのクロスのかかったテーブルが出され、蝶ネクタイのハンサムボーイさんが、熱々の料理をスマートにサービスしてくれます。緑の中でのスープの味、そしてこの季節しかない白いアスパラを口にはこぶと、春を待った喜びを感じます。

 

今日は馬術大会がこの公園で開催されるので、ヨーロッパ中から馬と人間が集まっています。周りの湖畔は馬と人間のテントが張られ、大会準備に備えます。
正面の観客席は有料ですが、両サイドの観客席は無料で、しかもビールやソーセージ、コーヒー店が両サイドに並び、人々は白いテーブルに席を取り、ビール片手に観れる特等席になります。会場では素敵な制服を着た音楽隊が行進し、馬のダンスが披露されます。馬が華麗に音楽のリズムに合わせて動きます。そして馬車による優雅な演技が、ビールのほろ酔い気分とワルツに乗って心地よく、後に続く熱気溢れる競技大会の前座を飾ります。いよいよ競技開始となると、声援が一段と盛り上がります。

子供たちの人気はポニー教室。飴玉やアイスクリームを手に手に順番を待っています。リズムカルに歩くポニーの尾っぽとポニーの背中に乗って満足そうな子供たちの歓声が親の笑顔と重なって、、、春爛漫いいなー。他の公園ではサーカス小屋が建ち、一ヶ月ほどの興行をしています。先日買い物に出て、自転車道を走っていたら3匹の象とすれ違う体験をしました。

わが目を疑うほどの驚きでした。

前の像のしっぽをくるりと鼻でしっかり巻いて、3匹の像はまるで幼稚園生のようにちゃんと一列になって、歩道を散歩していたのです。広い緑の歩道を象が散歩!オランダらしいゆったりした時間でした。

一方、市の中央広場や駅前道路では、交通を3日間ストップさせ、移動遊園地が開催されます。遊園地といっても大人用で、動きも強烈、イルミネーションは超派手。原色の豆電球が稲妻のように点滅し、騒音に等しいエレキの音が、深夜早朝でも鳴り響き、客を呼び込みます。街に繰り出した若者はビールや揚げパンを食べながら、エレキのリズムに酔いつぶれます。

駅の近くに越した我が家ではその期間、耳栓をして、窓から離れた部屋で寝起きをすることになりましたが、騒音は皆様の想像にお任せします。
このような騒音から車で5分、街はすぐに郊外になり、そして森に入ります。正にヘンデルとグレーテルの世界です。大空に梢を広げた新緑の木々、そして、チュウリップの絨毯のようなお花畑、、、。オランダが一番美しい、緑と花の季節です。